ミストのあらすじ
とても激しい嵐が町を襲った。
その翌日、湖のほとりに住んでいるデヴィッド・ドレイトンと妻のステファニーは、自宅の窓やボート小屋が壊れているのを発見する。
デヴィッドは補強品などを買いに行くため、8歳の息子ビリーと隣人のブレント・ノートンと共に地元にあるスーパーマーケットへと車を走らせる。
冷蔵庫以外は停電していたが、店は客で大賑わいだった。
デヴィッドたちが買い物をしている最中、店の外ではパトカーや救急車が走り回っており、サイレンが鳴り響いていた。
その直後、鼻血を流したダン・ミラーが店の中へ逃げ込み、「霧の中に何かがいる!」と叫んだ。
店の中にいた者たちが戸惑う中、店の外は白い霧で包まれていく。
店の中にいた者たちは不安に駆られ、店の中に閉じこもることにする。
霧の中には怪物たちが潜んでおり、襲撃され、カルト信者のミセス・カーモディにすがるようになる。
ミセス・カーモディと信者たちを恐れたデヴィッドと一部の生存者たちは、物資をかき集め、店の外へ脱出する計画を立てる。
監督:フランク・ダラボン
制作年:2007年
制作国:アメリカ
ミストの評価(感想・レビュー・口コミ)
ホラー映画にはお約束が存在します。夜に屋外でメイクラブを始めると殺人鬼が襲ってくる、主人公一団に逆らって和を乱し単独行動をするものは敵モンスターに真っ先に狙われるなど…この映画は、そんなお約束を知っていればいるほどに衝撃を受ける、そんな作品です。霧のなかに何かがいる、主人公たちは徐々に追い詰められ、少ない物資や武器を手に籠城するようになっていくという「いかにも」なホラーの定番は、原作のスティーブン・キングをして「そっちの方が良かった」と言わしめる改変をされ生まれ変わりました。そのラストの喪失感、虚無感といったら…ネタバレになるので詳しくは語れませんが、映画を見終わった後しばし呆然とするだろうことうけあいです。軍人、宗教家といったホラー映画にはよく登場しがちなキャラクターも「いつものように」場をかき回し主人公たちの状況を悪化させていきますが、見終わった後にはやりとり全てがひっくり返される「ミスト」。必見です。
(28歳・女性)
スティーヴン・キング原作の映画は、つい観てしまいます。「ミスト」を監督したフランク・ダラボンは、名作「ショーシャンクの空に」を監督したことでも知られています。
「ミスト」はよく練られた映画で、ラストは原作とは違います。原作の方が救いのある内容ですが、違う部分があるため新鮮な気持ちで観ることができました。
「ミスト」のストーリーはシンプルですが、異常な事態に陥った人間の醜悪な部分が、どんどん出てきます。
この映画の後半までは、パニックホラー映画のようです。しかし、ラストがすごいのです。人間としてかなり考えさせられるラストシーンとなっています。
考えても答えが出ないような問いかけを、映画から突きつけられた感じです。
人生には、重要な判断を迫られるときが何度もあります。「ミスト」では、主人公が最善だと思ってしたことが残酷な結果になります。
でも、主人公の立場に立っていたら、同じ判断をしていたかもしれません。
タイトルと同じようにモヤモヤした感じが残る映画ですが、秀逸な脚本の映画でした。
(23歳・男性)
ラストが衝撃的で一番印象に残った作品です。好きな場面どうこうより、もうラストシーンだけで頭が一杯になってしまうくらいトラウマ級の映画。
原作とはラストが違うようですが、映画はとてもシリアスで不気味。そして目には見えない心理的な恐怖が前面に表現されています。
パニックモンスター映画が好きな人は序盤の「霧の中の怪物」の登場だけで楽しめるはずです。B級感も存分に味わえます。
逆に心理的なサスペンス要素やジワジワと湧き上がって来る恐怖を味わいたいなら、後半にバッチリ盛り込まれています。
原作がスティーブンキングなので、彼の著書が好きな人には打って付けででしょう。ラストが違っていても原作に有り得そうと納得出来る出来となっています。
ただし、ハッピーエンドとは程遠い内容ですので後味は悪いです。しかし、その後味の悪さこそが現実味を帯びていて怖い。
身近にある怖さが滲み出ていて、自分が主人公達の状況に居合わせたかのようなリアルさ。主人公の選択こそがリアルと思わせてくれます。
(30歳・女性)
人は未知のものに遭遇した時にどうすればいいのか。私にとってはそんなことを考えさせられる映画です。
よくモンスター映画では、今までに見たことのない怪物や巨大生物が出てきたとしても、大抵はその現象を説明してくれる人が出て来て色々と教えてくれますが、もしその教えてくれる人が間違っていた場合、そしてその人が狂信的な宗教家だったら、話は全然違う展開を見せ始めます。今、自分たちが置かれている状況を把握するのは大事なことで、これから何をしなくてはいけないのかの基準になるからです。
私のお薦めしたい見所は、最初は霧の向こうからやってくる未知の生物に対して人々は一致団結して脱出しようと挑みますが、それがダメだとわかり絶望してしまうと、普段は馬鹿にしていた宗教家の言うことを信じ始める人が出て来て、宗教家の言葉に従っていく異常な集団心理です。とても興味深く、自分で考えることをやめてしまうと流されやすくなってしまい後は相手の思うままになってしまう危険性を感じました。
ラストについては賛否が分かれているのですが、このラストも含めて一度は観てもらいたい映画になっています。
(20歳・男性)
ミストは、今迄観た映画の中でも少し変わった印象があります。
その理由は、映画の終わり方の部分が予想と違うという点で、大抵の映画はストーリー後半になると結末が想像でき、予想通りの結果になりますがミストは違います。
しかし、その意外性がこの映画の魅力であって、今でもストーリーを忘れない理由でもあります。
ミストの好きなところは、映画前半から中盤にかけてのシーンで、中でもみんなが避難しているスーパーでのやり取りです。
スーパーでのシーンは、色々な人間の性格や優しさ、醜さなどがリアルに描かれていて生々しい臨場感があります。
そのシーンを観ていると、もし自分がその状況にいたらどう対応するかなと考えたりもするので、色々な角度から楽しめる映画です。
怖さという点では、タコのような怪物とスーパーのシャッター付近で戦うシーンは手に汗を握り、やっと落ち着いたかと思うと昆虫のような怪物が攻めてくるなど、息の抜けない展開が映画の面白さを強くしています。
(26歳・女性)