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次代の伊達公子?いまから注目しておきたい日本人若手女子テニス選手4人

世界ランキング自己最高4位まで昇り詰めた伊達公子の名前は、テニスにそれほど詳しくない日本人でも多くの人が知っているでしょう。

しかし、ここ数年世界トップレベルで活躍する日本人女子はしばらく出て来ていません。

錦織圭の活躍により男子テニスが取りざたされる機会が最近では圧倒的に多くなってきましたが、反対に女子テニスの有望選手はいるのでしょうか。

ポスト伊達公子を狙う日本人女子テニスプレーヤーについて、いまのうちから注目しておきたい若手選手を今回は4人ご紹介したいと思います。

大阪なおみ

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日本女子テニス界に彗星のごとく現れ、今や世界中のテニスプレーヤーの中でも「次世代を担う」と期待されているのが大阪なおみ。
1997年生まれの若干19歳で、アメリカ人の父と日本人の母を持つ、まだあどけなさを残したティーンエージャーです。

しかしあどけない見た目とは裏腹に、全米オープン制覇の経験を持つサマンサ・ストーサーを16歳の若さで破り、いきなり世界を驚かせると、その後もトッププレイヤーたちを次々と撃破してきました。
勢いは止まらず、2016年にはグランドスラムで3回戦に三度進出するなどし、更にはツアー初の決勝進出も経験。ランキングはあれよあれよという間に上昇し、トップ100入り、トップ50入りとまさに快進撃を見せます。結果的にこの年、日本勢では初のWTAツアー最優秀新人賞を受賞。
まだ10代ということを踏まえても、これからどれだけ成長するのか、その伸びしろはまだまだ計りしれません。

そんな彼女の一番の特徴は強烈なサーブです。
何と男子と同レベルの200キロ級サーブを打ち込む非常にパワフルなプレーを強みとしており、そのプレースタイルはある意味日本人離れした才能を感じさせてくれます。(錦織でもサーブで200キロ超えはかなりまれ)
実際大会に出てもサービスの速さで全選手中1、2を争うレベルですから、どれだけ強烈なのかはお分かりいただけるでしょうか。

ちなみにテニスとは無関係ですが、4歳の時に渡米しアメリカでの生活が長かったために、彼女は日本語があまり得意ではありません。
それでも試合後には、応援に駆け付けた日本人ファンなどに対して律儀にペコリと何度も頭を下げてお礼するなど、何かと心をくすぐる魅力を兼ね添えているのも彼女の特徴と言えるでしょう。
試合を観戦する機会があれば、ぜひ試合後の彼女のアクションにも注目してみてください。

日比野菜緒

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1994年生まれの現在22歳、日比野菜緒も日本女子テニス界では期待の若手です。
ちなみに菜緒という名前自体、当時活躍中のテニスプレーヤー「沢松奈生子」から取ったという驚きのエピソードを持っています。(実際にプロテニス選手になってしまうのがすごい・・・)

そんな日比野の経歴ですが、17歳ごろよりツアー下部大会で着々と実績を重ね、遂に2015年、20歳の時にタシュケント・オープンにて念願のWTAツアー初優勝。ランキングも大きくジャンプアップしてトップ100入りを果たすと、最終的には66位まで順位を上げました。
その後、2016年には全豪オープンでグランドスラム本戦初出場、リオオリンピックにも出場するなど着々と経験を重ねてきた日比野。
2017年に入ってもマレーシア・オープンで決勝進出を果たすなど、まさにいま伸び盛りの若手と言えるでしょう。

ちなみに彼女のプレースタイルは、分類するならオールラウンダーのジャンルに入ります。
特に苦手とするプレーもなく、状況に合わせて臨機応変に対応できるところが強み、といったでしょうか。
今後はそれぞれのレベルを底上げし、更なる飛躍に期待するとともに、日本女子テニス界を引っ張る存在でもあって欲しいと思います。

尾崎里紗

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この選手も日比野菜緒と同じく1994年生まれ。
日テレのアナウンサーと同姓同名でよく勘違いされるのですが、今後さらに活躍し、知名度アップにも期待したい選手です。

尾崎は全国小学生大会で優勝しジュニアフェド杯の日本代表になるなど、若い頃より国内では名が知られてきました。
迎えた2012年。年全豪オープンジュニアでシングルスベスト8に食い込み、世界でもその実力が通用することを証明します。
その後プロ転向を果たした後も、下部大会でポイントを獲得しながら着々と実績を重ね、2016年には94位までランクアップ。そして2017年にはついに、全豪オープンでグランドスラムで本戦初出場を果たしました。

まだシングルスではWTAツアー優勝はないものの、2017年4月には70位にまでランクを伸ばしましていることを踏まえると、ここ数年の活躍を見ても更に実力を伸ばして来てもおかしくありません。

そんな彼女の特徴は力強いフォアハンドストローク。162cmと昨今の女子プロテニス界では小柄な部類ながら、ラファエル・ナダル(グランドスラム優勝回数歴代2位)にも似たフォームから放たれるショットは、鋭いスピンで独特の弧を描くような軌道を見せます。
全身を使ったダイナミックなテニスは一見の価値あり。機会があれば他の日本人プレーヤーたちとフォームやボールの軌道を比べてみると良いでしょう。

穂積絵莉

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またしても1994年生まれの選手の登場です。(この年は黄金世代なのか・・・)

伊達公子と並んで日本女子テニスを牽引してきた「杉山愛」の存在はおそらく多くの人がご存知ですよね?
実は最後に紹介する穂積絵莉は、幼少期よりこの杉山愛の母親である芙沙子さんの指導を受けて育ちました。

杉山愛といえば、ダブルスで世界ランク1位になったこともあるほどのダブルスの名手(ツアー通算38勝)。そんな選手を持つ母親の教えを受けてきたこともあってなのか、穂積もダブルスが得意な選手です。
すでにWTAツアーではダブルスタイトルも獲得しており、さらに2017年には全豪オープンで加藤未唯とペアを組みベスト4進出も果たしました。
偶然にも日本人ペアでの女子ダブルス/グランドスラムベスト8進出は、2002年全仏オープンで杉山愛・藤原里華組がベスト4入りして以来15年ぶりの出来事。ここでも杉山愛が絡んでくるあたり、何か不思議な縁を感じずにはいられません。穂積はまさしく第二の杉山愛になる可能性を秘めている選手だと言えるでしょう。
ちなみに2017年の全豪オープンでは、前述のダブルス躍進だけでなく、シングルスでもグランドスラム初の本戦出場を果たしています。

シングルス、ダブルス共に期待が持てるという、日本人女子では珍しいタイプのプレーヤーですから今後注目してみる価値はあるのではないでしょうか。

おわりに

今回はあくまで次世代期待の若手を紹介してきましたが、年齢を問わずにいえば他にも注目してほしい日本人プレーヤーは数多く存在します。
すでにWTAツアーでタイトルを取っている土居美咲や奈良くるみ(共に1991年生まれ)などはその筆頭。

特に日本人女子は小柄な選手が大半を占める為、大柄な外国人選手に立ち向かう姿をぜひ一度その目でチェックしてみると良いでしょう。
男子テニスとは違う、また新たなテニスの面白さに気付けるかもしれません。

ABOUT ME
斉藤六
斉藤六
幼少期から学生時代まで野球漬けの毎日を過ごす。 20歳になったのを機に、アメリカ一人旅、ヒッチハイク日本縦断などにチャレンジ。 その後錦織圭の登場でテニスにハマるが、ある日ふと目にしたひとつのテニスコラムに感銘を受け、ライター活動を開始、現在に至る。 テニス、MLBを始めとしたスポーツ関係だけでなく、グルメやダイエット関係の記事も執筆中。