プレミアリーグは世界でも有数の人気を誇るリーグであり、8月11日に開幕します。
非常にスピーディーな展開でありながら、フィジカルコンタクトが激しいレベルの高いリーグです。イングランド人の選手だけでなく外国人の選手も身体的に優れた選手だったり、その激しい当たりを交わせるテクニックを持った選手が活躍しています。
また下位のチームに行くにつれロングボールを多用する戦術がとられる傾向にあり、日本人の特徴であるアジリティ(敏捷性)の高さやテクニックなどを発揮するのは難しいとされていて、今まで厚い壁に跳ね返されてきました。
しかしこれまで日本人選手が苦戦してきた競争の激しいプレミアリーグで現在2人の日本人選手が活躍しています!この記事ではその2人についてご紹介したいと思います。
吉田麻也
Embed from Getty Images
現在サウサンプトンFCに所属する吉田麻也選手です。8月24日に29才を迎えるセンターバックの選手で、今季はサウサンプトンで6年目のシーズンを迎え順調にプレシーズンの試合をこなしています。
吉田選手は2009年12月に21才という若さでオランダのエールディヴィジに渡り、2012年の8月にプレミアリーグの現在所属するサウサンプトンに移籍します。1年目はコンスタントに試合に出続けていましたが毎年のように代表級の選手を補強するチームのあおりを受け出場機会が減り、違うポジションであるサイドバックも経験します。
しかしターニングポイントになったのは昨シーズンの後半でしょう。センターバックのレギュラーだったJ・フォンテが冬に移籍、F・ダイクが怪我のため離脱するとそのチャンスを生かしレギュラーに定着、日本人として初めてプレミアリーグでキャプテンマークを巻きます!
これはローテーションでカップ戦に出られていたため集中力を維持でき致命的なミスをしなかったこと、また今まで出場機会がなかった期間に約8kg増量しながらフィジカルトレーニングを続け、当たり負けしない体を作ったことが大きいです。それに本来の持ち味である深い戦術理解を駆使したポジショニングやカバーリング、精度の高いフィードを織り交ぜることで信頼を掴みました。
そして走り方の改善に取り組んだことで弱点であったスピードのある相手にも対応できるようになり、これはイギリスの新聞紙の「ミラー」紙が公表したデータにも表れています。昨シーズンのプレミアリーグで計測されたスプリントの最高時速が34.78km/hでアーセナルのT・ウォルコットと並び8位に入りました!
このように出番がない中でも努力し、チャンスが来たら逃さないサッカー選手の見本ともいえる姿をみせた吉田選手。今シーズンもコンスタントに出場し、昨季見せたようなスター選手との痺れるようなマッチアップを見せてほしいところです!
岡崎慎司
Embed from Getty Images
現在レスター・シティFCに所属する岡崎慎司選手です。31才のフォワードで、今季はレスターで3年目のシーズンを迎えます。
岡崎選手は清水エスパルスからドイツブンデスリーガのVfBシュトゥットガルトを経てその後2013年の夏、1.FSVマインツ05に移籍します。そこでは2013~2014、2014~2015シーズンに連続して2桁得点を記録しストライカーとしての評価を一気に高めます。
評価を上げたことで2015年の夏、日本円で約14億円でプレミアリーグのレスターに移籍。その後は知っている方も多いかもしれませんが、レスターの一員として”奇跡の優勝”を成し遂げ世界中を驚かせました!
しかし一転して昨季は厳しいシーズンとなります。ラニエリ体制2年目となりライバルとなるフォワードのI.スリマニを獲得、そして攻守両面で一番重要な選手であったN・カンテをチェルシーに放出したことでプレッシングからのショートカウンターという戦術が成り立たなくなりチームは迷走してしまいました。その影響を受け岡崎選手自身も得点が取れず悩める日々を送ります。
過去2シーズンにおいて岡崎選手はレスターの戦術であるショートカウンターをするためのファーストディフェンダーとして相手のディフェンスにプレスをかけたり、中盤とトップのJ・ヴァーディーのつなぎ役に徹していました。
ただ本来の岡崎選手の持ち味といえば、オフザボールの動き(自分がボールが持っていないときの動き)で敵のマークを外し味方のクロスを決めたり、ディフェンスラインの裏を取りゴールを決めるストライカーとしての働きです。
チームでその役割をするためには本当に少ないチャンスの中、得点やアシストなど数字でアピールしていくしかないと思います。動き出しにあったパスやクロスがあればチャンスをモノにしてくれる選手ですので、今シーズンは壁を超えてプレミアリーグでも得点を量産してくれると信じています!
今シーズンもレスターと岡崎選手の活躍に注目しましょう!
最後に
プレミアリーグは放映権料で下位のチームまでフトコロが潤っています。そのため毎年のように補強しリーグやチームの競争力が保たれており、プレーする選手たちは厳しいチーム内競争にされされやすいリーグです。
しかしそこでジリジリと評価を上げている2人の活躍は本当に価値があるといえるのではないでしょうか。岡崎選手はそこまで評価につながらない地味なハードワークをしつつフォワードとして日々得点を狙いアピールを続け、吉田選手はセンターバックでアジア人として初めてスタメンで出場し続けています。
彼らの奮闘は日本人選手全体の評価を高める意味もあり、今シーズンも一年を通して試合に出場し活躍してくれることを期待しましょう!