変態村のあらすじ
ベルギーのとある老人ホームでクリスマスの慰問ライブを終えたマルクは、次の訪問先へ向かう途中で道に迷ってしまい、さらには車を故障させてしまう。
雨の降る中、夜の森に立ち往生してしまうが、近くにあった小さな村のはずれの元ペンションに住むバルテルと出会う、宿を借りることになる。
バルテルは元コメディアンであり、同じ芸人として活動しているマルクに好意を示し、故障してしまった車の修理も請け負ってくれた。
しかし、バルテルは妻のグロリアを亡くしており、狂気を抱いていた。
バルテルはマルクに“決して他の村人に姿を見せるな”と言うのだ。
翌朝、車の修理を請け負ってくれたはずのバルテルが車の中を荒らし、車を破壊しているところをマルクは目撃してしまう。
そして、バルテルはマルクを拘束し、女装させた上にレイプし、クリスマスに歌うように要求。
バルテルがクリスマスツリーを取りに行っている間に逃げ出したマルクだったが、熊用の罠にかかってしまう。
監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ
制作年:2004年
制作国:フランス・ベルギー・ルクセンブルク
変態村の評価(感想・レビュー・口コミ)
この作品は変態村というタイトルですが、何かの病理生のある人たちと主人公の関わりを描いた作品に違いないと思いました。
例えば、精神異常者の認知の歪みをテーマにして、世間の人間が巻き込まれていくという関わりを描いた作品といえます。
どこがどう変なのか?と主人公が問うような場面がありますが、信憑性があるというか、日常に潜んでいるテーマです。
例えば、変態村の住人対主人公であれば、大多数の変態村の住人が正しいという解釈にすらなるんですね。
間違っているのは少数派の方というわけです。これはもう、恐ろしい世界観だと思います。犯罪者も自分が正しいと思っているそうですが、犯罪者を認める人口が増えたら村状態になるのですから。ということで、住人たちの認知の歪みや、主人公が巻き込まれていくという有様が人間心理的に興味深いという映画作品です。
これは世間的に擦れた大人が見た方がよほどに理解できるのではないかと思います。
(22歳・男性)
変態村の好きなところは、現実からかけ離れたストーリーという点です。
現実にあり得ない内容だけに怖さを感じないで観ることができ、奇抜な展開を楽しむことができます。
村人の中にまともな人はマルクしかいないという、題名通りの変態村には少し面白さを感じます。
ただ、シーン毎に過激な印象を受ける部分があり、特に序盤の家畜に対する村人の変態行為は複雑な感覚になります。
大きな見所は2つあり、一つはマルクを村人達が愛した女性グロリアと思い込みおかしな行動をする点で、もう一つは村人達から逃げる緊迫した脱走シーンです。
マルクが脱走に失敗して納屋で十字に磔にされてしまうシーンは、何でこんなことになるの?という不思議な感覚が出てきますが、そんな違和感が面白さの部分だと思います。
また、映画後半はマルクが逃げきることを心で応援する気持ちになり、複雑なストーリー展開ながら集中できる映画です。
エンディングは、予想していた内容と違いますが、最後まで先の読めないストーリー性は新たな感覚を覚えます。
(33歳・女性)
変態村という名前に関心を持ってみたのですが私が思っていた以上の内容でした。
私が想像していた変態は、正直、そっち方面の変態ではなかったのですが、これは良い意味で私の期待を裏切りました。
この映画に出てくる変態村の村人はみんな変態でした。そういう意味では変態村という名前の通りで良かったです。
ただ、変態村というよりはおかしくなった人達ばかなりいる村という感じでした。
ですから、私が期待していたようなコメディタッチの変態でなくマジでやばい人達が住んでいる村に主人公が
行ってしまった事で大変な事になるという感じの映画で主人公は少し可哀そうに思いました。
なので私が期待していたような感じではなかったですが変態という意味ではその通りだったので
見て後悔はしなかったです。
それなりに見応えもありました。ただ変態村という名前からは想像できないくらい映像は綺麗で良かったです。
ただこの村にいる人達はやばいという映画です。
そのおかしな人達を見るのが楽しいと感じる映画でした。
(27歳・男性)
序盤の方に、マルクが女装をしながら介護施設の人達に歌を披露する場面があります。この時のマルクは歌声も悪くなく、女装姿も見事だったので見入ってしまいました。最初の口紅をつける所も手慣れているように見えたので、舞台に立った経験は豊富にあるような気がします。
その後の老女が出てきたシーンは、意外な展開だったせいか大笑いしました。素晴らしい舞台を有り難うとお礼を述べるなら分かるのですが、飛び出した言葉が予想外でした。
マルクの車がエンストを起こした時に、中年男性が突然現れた場面は怖かったです。顔を助手席の窓ガラスにぴたりと押し当てていたからです。犬を見なかったかと質問するためですが、普通にドアを叩くだけで良かったのにと言ってあげたくなりました。
ペンションの店主が、以前はコメディアンだったと語る場面は面白かったです。店主の性格はお笑いとは無縁な、無口で神経質そうな性格をしていたからです。そして、かつては人気があったと語り出す店主、話はやや盛り過ぎかなと思いました。
(25歳・女性)
変態村。こんなタイトルの映画を手に取るくらいの人は、かなりのB級映画マニア、ホラーマニアくらいだと思います。買うにせよ借りるにせよ、そこに愛や感動などは求めていないでしょう。しかしそれでも、映画というエンタテインメントを見る以上はそこに笑いや恐怖くらいはあるだろうと考えるはず。「変態村」はそんな淡い希望すら打ち砕く、本当に「変態な」「村」の映画で、そこにエンタテインメント性はなく、ひたすら「もうやだこんな村」「見なきゃよかった」という思いだけが時間とともに増していきます。主人公一行が出くわす事になる残虐にはファンタジーがなく、これといったどんでん返しもないストーリーは特に加速度も増さず、最後にはカタルシスもなく最後を迎えます。後味は最低。「やっぱり本当の、本物の変態なんて、面白くもなんともないんだな。近寄っちゃだめなんだな」という感想を手に、映画の鑑賞者は口直しにマーベルエンターテインメントの映画でも借りに行くでしょう。そんな映画です。
(48歳・男性)