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はじめてのテニス観戦!初心者が楽しむために押さえておきたい5つのポイント

錦織圭の活躍もあり、近年この日本でもテニスに興味を持つ人が急激に増えてきました。
とはいえ他のスポーツと比べると、一般的には長らく馴染みの薄かったテニス。
いざ観戦してみたものの、分からないことばかりでちんぷんかんぷんになってしまう人も少なくないかと思います。

そこで今回は、テニス観戦初心者がより楽しくテニスを観る上で抑えておきたいポイントを分かりやすくご紹介することにしましょう。

得点、勝敗の決し方

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まずは基本中の基本からです。
テニスは他の競技と異なるユニークなルールがいくつか存在するのですが、その中でもまず第一に抑えておきたいのが得点の数え方。
野球やサッカーと異なり、得点が入るごとに1点、2点と加点される方式ではありません。

なにも得点が入っていない状態の0(ラブ)から始まり、得点が入るごとに15(フィフティーン)、30(サーティ)、40(フォーティ)と順に加点される仕組みで、先に4ポイント先取した方がそのゲームを取ることになります。
例えば試合中に「サーティ、ラブ」と主審がアナウンスした場合、そのゲームにてサーブを打っている選手が2ポイント取っていて、リターン側の選手が0ポイントの状態。「フィフティーンオール」と主審がアナウンスしたなら、両者ともに1ポイントずつ取っている状態。このような形でポイントが更新されるごとに主審のアナウンスが入ります。
ちなみに両者が40で並んだ場合は「デュース」となり、2ポイント差が付くまでゲームは続けられます。

次に試合全体の成り立ちですが、上記で示した「基本4ポイント先取」のものを「ゲーム」と呼び、先に6ゲームを先取した方が「セット」を取ることが出来ます。
よくニュースなどで、6-4、6-3などと言われているのは、このセットの詳細を表す数字のこと。つまり6-4なら、自分が6ゲーム取って、相手が4ゲーム取ったと意味しています。
ただ、セットについては基本的に6ゲーム先取ですが、5-5で並んだ場合は2ゲーム差を付ける(7-5)か、6-6になってからのタイブレーク(7ポイント先取制)を取ることでセットカウントが1つ増えます。

試合の勝敗に関しては、3セットマッチなら2セット先取した選手。5セットマッチの場合は3セット先取した選手の勝利となります。

試合中の基本ルール

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得点・勝敗の決し方ともうひとつ、テニスを観戦する上で知っておきたいのが試合中のルールです。

まず、サービスは1ゲームごとに交互で担当するのですが、1ポイントにつき2回までサービスが打てるルールになっています。
ファーストサービス(1本目)が入らなくても、セカンドサービス(1本目)で入れてしまえば問題ありません。
※ファースト・セカンド連続でサービスが入らなかった場合は1ポイントが相手に加点される(ダブルフォルト)。

このようにサービスは2回チャンスがある為、どの選手も1回目のサービスはアグレッシブに強く打ち、1回目が入らなかった場合の2回目は「入れることを最優先したサービス」を選択するのが一般的です。
1回目と2回目のサービスでは、見た目もスピードも大きく異なる場合がほとんどですので、テニス観戦の際に注目してみると良いでしょう。

そしてもうひとつ。基本的なルールとして抑えておきたいのが「チェンジコート」です。
チェンジコートとは文字通り、選手がプレーするコートのサイドを入れ替える行為であり、2ゲーム終わるごとに選手は反対側(選手からすると向い側)のコートへと移らなければなりません。

この仕組みは単純に、平等な環境を両者へと与える為の措置だと考えてください。
屋外で行われることも多いテニスの場合、太陽光や風、コートの状態(地面)など、サイドごとに条件が異なる場合があるからです。

ボールのイン・アウト

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さて、基礎的なテニスのルール・概要を紹介したところで、ここからはより実践的なテニス観戦のポイントをご紹介しましょう。

まず大前提として、テニスというスポーツは突き詰めて言えば「ボールがコート上の決められた範囲に入るか否か」を競うスポーツです。
ルール上は、ボールが決められた範囲内に入っていれば(ラインに触れていてもOK)イン、入らなければアウトになります。

とはいえトッププロの世界ともなると、時に200kmを超えるボールがコート上を飛び交う為、イン・アウトの判定も簡単ではありません。
プロの大会の場合、ラインそれぞれを見る審判がいて、自分の担当するラインに来たボールのイン・アウト判定を瞬時に行うのですが、それでも人間が見ている以上やはり間違いは起こってしまいます。
選手自身も際どいボールには敏感になり、激しく抗議するケースも珍しくありません。
我々見ている側からすれば、あんな速いボールをしかも目視だけで正確にイン・アウト判定することなど不可能なようにも思えてしまいますが…。
たった1ポイントが勝負を分けかねないプロの世界で戦う選手たちからすれば、簡単に妥協する訳にはいかないのでしょう。

ところが2006年、このイン・アウト判定に関連する画期的なシステムが導入されました。

「チャレンジシステム」です。

試合中にリアルタイムでボールの位置・軌道等を分析し、コンピューターグラフィックスにて再現する「ホークアイ」という技術をテニスに運用し、ボールのイン・アウトを科学的に、かつ即座に判定するシステムがテニスの試合に導入されたのです。

チャレンジシステムの概要は以下の通り。

■各選手1セットにつき3度チャレンジの権利を与えられる
■チャレンジが成功(審判の判定が誤り)していた場合はチャレンジ権利数は減らない(極論、チャレンジが成功し続けている場合は何度でもチャレンジできる)
■選手がチャレンジシステムを利用すると、会場内のビジョンにボールの着地点がCGで表示される(同時にイン・アウト判定も表示)
■チャレンジが成功すると状況に応じて、ポイントのやり直し、ポイントの修正が行われる
■タイブレークに突入するとチャレンジ権が両者1回ずつ追加
■クレーコート(土)では基本的にチャレンジシステムは使わない(ボールの跡が地面に残る為)

このようにあくまで回数制限が設けられており、補助的な役割としてチャレンジシステムは用いられています。
ただ、チャレンジシステムの実施には前述のホークアイ設備が必要となる為、試合会場や大会によってはチャレンジシステム自体が利用できません。つまり、審判の目に頼るしかなくなるのです。

現状、相対的にランキング上位の選手ほどチャレンジシステムが利用可能な環境で試合できるケースが多くはなってしまうのですが、実施されている試合ではこのシステムにも注目してみてください。

コートサーフェスの違い

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テニス独自の特徴として、コートサーフェス(テニスコートの地面)が数種類ある点が挙げられます。

主なサーフェスは3つ。

■ハードコート
セメント・アスファルトを基礎に、合成樹脂でコーティングされたサーフェス。
最も多くの大会で用いらているサーフェスで、コートごとにボールのスピード、跳ね具合などは異なる。
代表的な大会は全豪オープン、全米オープンなど。

■クレイコート
土のコートを指し、ボールの勢いが土に吸収されて落ちる為、ラリーが続きやすい。
クレーコート81連勝の記録を持つラファエル・ナダルに代表されるように、得意不得意の傾向が顕著に出やすいサーフェス。
代表的な大会は全仏オープン。

■グラスコート
芝のコートを指し、特徴としてはボールが滑る為高く跳ねにくい、なおかつスピードが出やすい。また芝の状態次第では不規則なバウンドも多くなる。
サーブを武器としている選手にとっては有利なコート。
代表的な大会はウィンブルドン。

プロテニスツアーは基本的に上記3つのサーフェスで実施されており、それぞれのサーフェスごとに得意・不得意が選手間でも別れるのが面白いところでもあります。

クレーコートで本領を発揮する「クレーコーター」など、サーフェスごとに強い選手に注目するのも、テニス観戦を面白くするひとつのコツであると言えるでしょう。

選手のリアクションに注目

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3時間越えもざらにあるテニスの試合を観戦する際、初心者の場合は途中で「飽き」が来てしまうケースも珍しくありません。
しかし、淡々とポイントの奪い合いが続いているように見えて、当の選手たちはいろいろなことを考え、駆け引きを行い、相手とも自分とも戦っています。

そこで個人的に是非注目してもらいたいのが、試合中の選手の表情やリアクション、仕草など。
実際に注目して見ていると分かりますが、テニス選手たちは実に様々な表情を試合中に見せてくれます。

ポイントを決めて雄たけびをあげる選手。
自分のプレーに苛立ち叫ぶ選手。
思うようにいかずラケットをたたき折る選手。
無表情でぶつぶつ独り言をつぶやく選手。

選手ごとに、そして試合の流れごとに選手から見られる様々な変化からは、その時々の選手の心境や精神コントロールの術などを垣間見ることが出来ます。

例えば、いきなり静かだった選手がいきなりガッツポーズしたりすると、「そんなに大事なポイントだったのか…」などと感じられる訳です。

単純にポイントの積み重ねを追うだけでなく、選手自身の変化にも注目すれば、新しいテニスの魅力に気づけるかもしれません。

おわりに

テニスの楽しみ方は人それぞれ。
「こうしなければいけない!」という決まりはありません。

今回はほんの一部を紹介しただけに過ぎませんし、基本的なルールを把握した後は、自分なりの楽しみ方を模索すると良いでしょう。

観れば観るほど新しい魅力に気づけるのがテニスの面白さ。

一試合を通してテニス観戦する面白さに気づけば、あなたもきっと病みつきになるはずです。

ABOUT ME
斉藤六
斉藤六
幼少期から学生時代まで野球漬けの毎日を過ごす。 20歳になったのを機に、アメリカ一人旅、ヒッチハイク日本縦断などにチャレンジ。 その後錦織圭の登場でテニスにハマるが、ある日ふと目にしたひとつのテニスコラムに感銘を受け、ライター活動を開始、現在に至る。 テニス、MLBを始めとしたスポーツ関係だけでなく、グルメやダイエット関係の記事も執筆中。