プレミアリーグは1992年に設立されたリーグですが、その前から行われていたイングランドのリーグ戦は、世界の中でもっとも歴史が古く1888年から始まりました。
そして歴史があるとさまざまな関係性も発生し、特に同じ地域ではなおさら張り合う気持ちや嫉妬心が生まれます。選手だけでなくそのチームのサポーターも同じで、普段の試合よりさらに熱く盛り上が、その熱気は特別なものであるといえるでしょう。
特にイングランドではロンドンに本拠地を置くチームが多くあり、いずれも強豪チームばかりです。この記事ではそのロンドンに本拠地を置くアーセナルFCとチェルシーFCのダービー、ビッグロンドン・ダービーについてご紹介したいと思います!
両チームの歴史
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ビックロンドン・ダービーはイングランドの首都ロンドンの北部に本拠地を置くアーセナルFCと、ロンドン西部に本拠地を置くチェルシーFCの対戦です。クラブが設立されたのはアーセナルが先で1886年、チェルシーが1905年と両クラブともに100年以上もの歴史があります。
アーセナルは王立の軍需工場の労働者たちのクラブとして設立され、チームの愛称であるガナーズはエンブレムの大砲マークから来ている名前です。また始めのチームはアーセナルという名称ではなくダイアル・スクエアというチーム名でした。スタジアムも現在のエミレーツ・スタジアム、その前に使用していたハイベリーにあるアーセナル・スタジアムではなく、ロンドン南東部ウーリッジにあるスタジアムでした。
一方のチェルシーは高級住宅地の中にスタジアムがあるため富裕層の支持者が多いことで有名です。一方、これはアーセナルが労働者の支持者が多いという状況と正反対となっています。しかしチェルシーは「フーリガン」という名称の暴徒化した集団がいるなど、凶暴なサポーターが多かったようです。とはいえ、1992年にプレミアリーグが創立されてからはスタジアム周辺も整備され問題は起きなくなりました。
両チーム初のダービーが行われたのは1907年、プレミアリーグの前身であるファーストディヴィジョンの第1回大会でのことです。その試合は引き分けに終わったものの、リーグ記録となる65000人という観衆を集め盛り上がりました。
そしてこの対決は1930年以降、より多くの観客を集め注目度は増していきます。1935年にチェルシーのホームであるスタンフォード・ブリッジで行われた試合では、82905人というイングランドのリーグの中でも歴代2位の観客数を記録しました。
通算成績はアーセナルが74勝62敗56分と勝ち越しています。ただこれはチェルシーが2000年以降に一線級のチームとなったことが大きいです。2003年にロシア人の実業家であるロマン・アブラモビッチがチームを買収してからは優秀な監督が就任し、能力のある選手を獲得していきます。そのため近年ではチェルシーが優勢で、特にモウリーニョが指揮した2004〜2007年と2013〜2015年でアーセナルが勝利したのは2015年のコミュニティーシールド(プレミアリーグの優勝クラブとFAカップの優勝クラブが戦う試合)で戦った1回だけです。
2017〜2018シーズンの戦い
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今シーズンはすでにコミュニティーシールドと9月17日に行われたリーグ戦で対戦しています。結果はそれぞれ1-1、0-0となっており2試合とも引き分けでしたが、ハイレベルな好ゲームという印象でした。
9月17日のリーグ戦では両チームが3-4-2-1というフォーメーションを採用。プレミアリーグでは3バックのチームが増えていますが、昨シーズンからそのフォーメーションで戦っていたチェルシーだけでなく、今季はアーセナルもそのフォーメーションを採用することがあります。
アーセナルはアレクシス・サンチェスが残留し早速好プレーを見せており、今シーズンのチームを引っ張っていくのはやはりこの選手となりそうです。またここ数年、解任説が出ているアーセン・ヴェンゲル監督は今年が勝負の年となることは間違いなく、リーグ戦、ヨーロッパカップで結果を残せるのかダービーの結果とともに注目すべきポイントだといえるでしょう。
一方のチェルシーは今季もリーグ戦から強さを見せつけており、モラタをはじめ新戦力はすでにチームにフィットしています。やや層が薄いと見られているチェルシーですが、そこはアントニオ・コンテ監督の見せどころなので今季も優勝を成し遂げられるか最後まで目が離せません。
2017〜2018シーズンのビックロンドンダービーの日程ですが、2017年の9月17日(土)にチェルシーのホームで、2018年の5月6日(日)にアーセナルのホームで行われます。
最後に
イングランドの首都ロンドンで行われるダービーは100年以上前から続く試合で非常に歴史があり、ともにプレミア・リーグの上位を争うチーム同士の対戦です。そのため世界中からの注目度も桁違いで、試合内容もレベルが高いものとなります。
2017〜2018シーズンはすでに2試合が行われていますが、残りの1試合は2018年の5月6日(日)とシーズン終盤の日程です。このダービーによっては優勝争いに大きく影響する試合となることは間違いないのでぜひ観戦してみることをオススメします!