日本での錦織人気に火を付けた2014年の全米オープン。
当時決勝に進出した錦織をメディアはこぞって「快挙」だと報じ続けましたが、そもそも全米オープン自体詳しく知らない人も当時は少なくなかったでしょう。
今年もまた、全米オープンの時期が近づいてきました。
そこで今回は、全米オープンの成り立ちから基礎的な知識、またおすすめの観戦方法などについてまとめていきたいと思います。
プロテニスツアーの大会について
全米オープンを語るうえでは、まずプロテニスツアーに関する解説が欠かせません。
というのも、錦織のようなトッププロはほぼ一年を通して世界中の大会に出場しており、そこで得たポイントでランキングを競っているからです。
そう、つまり全米オープンとは、一年にいくつも行われるプロテニスツアー大会の中の一つなのです。
※例えば男子の場合だと、年間大会数は大小合わせて600を超える。
「なんだ、それじゃあ全米オープン決勝って別に大したことないんじゃ…」
もしここまでの段階でそう感じたとしたら、きっとそれは誤解です。
詳しく説明しましょう。
まず第一に、プロテニスツアーにはトーナメントカテゴリーという、いわゆる「大会のランク」が設けてられており、全米オープンはその中でトップに位置する「グランドスラム」に位置付けされています。
以下は男子プロテニスツアーのトーナメントカテゴリーと、それぞれの年間ごと大会数です。(上から順にランクが高い)
1.グランドスラム:4大会
2.マスターズ1000:9大会
3.500シリーズ:13大会
4.250シリーズ:40大会
5.ATPチャレンジャーツアー:166大会
6.フューチャーズ:646大会
※フューチャーズとATPチャレンジャーツアーは獲得できるポイントや賞金が少ないため、トッププロ(ランキング50位以内など)は基本的に参戦しません。
ご覧の通り、グランドスラムはたったの4大会しかないのが分かりますね。
しかも大会数が少ないだけでなく、出場選手数、観客、賞金、獲得ポイントなど、あらゆる面で他のカテゴリーとは比較にならないレベルに位置するのがグランドスラムの特徴。それゆえ、プロテニス選手はこのグランドスラムに焦点を合わせて皆調整を行うのが一般的です。
他の大会はある程度自分で出場するかしないかを決めるのですが、ケガなどの事情がない限り、グランドスラムをスキップすることはほぼありません。
正真正銘、全世界のトッププロが勢ぞろいするテニス最高峰の大会、それがグランドスラムだと考えてください。
上記のような背景を踏まえると、やはり2014年全米オープンでの錦織決勝進出は疑いようのない快挙と言えるでしょう。
全米オープンの基礎情報
ここからは全米オープンの基礎情報についてです。
■会場:USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター(アメリカ・ニューヨーク州)
■コートサーフェス:ハード
■本選出場人数:男子シングルス128人、女子シングルス128人
■開催時期:毎年8月の最終月曜日から2週間
■賞金総額:US$34,252,000
■観客動員数:70万人以上
意外なことに、ニューヨーク・マンハッタンにほど近い場所で全米オープンは開催されます。
その影響もあってか、観客動員数や賞金総額はグランドスラムの中でも最多。セレブやハリウッドスター、有名スポーツ選手なども全米オープンには多く駆けつけますので、その点も注目してみると面白いかもしれません。
他のグランドスラムとの違い
グランドスラムに位置する4大会はそれぞれ特徴を持っており、差別化されています。
そこでこの項目では、「全米オープンが他のグランドスラムと異なる点」を紹介していきましょう。
①歴史が面白い
現在はハードコートですが、過去グラス(芝)・クレー(土)とコートのサーフェスが2回も変わった面白い歴史を持っています。
※2度変更したのは全米オープンだけ
②コートの大きさ
1997年に建設されたアーサー・アッシュ・スタジアムは、約23,000名を収容できる世界最大のコート。人気の高い選手や地元選手がこのコートで試合を行うケースが多く、また決勝戦でも用いられます。
③最終セットの勝敗
他のグランドスラムは、最終セット6-6になった場合、2ゲーム差がつくまで試合が終わりません。
しかし、全米オープンだけは最終セット6-6になった場合、タイブレーク(7ポイント先取制)で決着を付けるため、緊迫した戦いを観ることが出来ます。
④観客もリッチ
賞金や大会規模も大きい全米オープンですが、観客もリッチだとか。
例えば2014年の大会だと、観客の平均年収は161,000ドル(日本円で1800万円を超える)だったそうです。
全米オープンの楽しみ方
規模の大きいグランドスラムでは比例して出場選手の数も多いため、一つの大会で様々な選手を観ることが出来ます。
中でもここ最近注目なのが、日本人選手の戦いについて。
例えば2016年の全米オープンでは、男女通じて6人もの日本人選手が本戦に出場しました。
錦織の影に隠れがちではありますが、実は最近日本人選手の活躍が目覚ましく、それをまとめて観られるのがグランドスラム、全米オープンなのです。
普段あまり観ることのない日本人選手の試合を観戦することで、同じ日本人である錦織との違いや、また錦織のすごみを改めて感じられるかもしれません。
ドロー次第ですが、もしかすると日本人対決も観られる可能性だってありますからね。
そしてもうひとつ、やはり世界ランクトップ10が出場する試合はぜひ観て欲しいと思います。
特に徐番、トップ10の選手は下位選手と当たる組み合わせですので、相手選手と比較することにより技術やメンタル、うまさの違いをより一層感じやすくなるでしょう。
強い選手同士の試合ももちろん面白いですが、実力差を感じる試合もまた、テニスの奥深さを感じられる機会だと思います。
全米オープンの観戦方法
全米オープンの観戦方法についてはいくつかの手段が存在しますが、個人的に様々な観戦方法を取ってきた中で特におすすめのものを紹介していきましょう。
スポナビライブ
2017年にテニスライブ配信を大幅に拡大した「スポナビライブ」がおすすめの筆頭です。
今年は全豪オープンも配信しましたし、またそれだけでなく男子ツアーのマスターズ1000、500シリーズ、250シリーズと、主要大会のほとんどが配信対象となっている点は非常に魅力的です。
ネットならではの、「見逃し配信」や場所を選ばずに観戦できる点も個人的にはかなり嬉しいですね。
ちなみに料金についてですが、Yahoo!プレミアム、ワイモバイルユーザー、ソフトバンクユーザーなら、「月額980円」とかなりお得。
もちろん上記に該当しない人でも利用は可能で、月額こそ1,480円にはなりますがそれでも十分にお値打ちレベルだと思います。
2017年全米オープンの配信予定は未だ未定ですが、今なら「初回1か月無料」のキャンペーンも実施中ですのでこの機会に一度試してみてはいかがでしょう。
WOWOW
グランドスラムと言えば、やはりWOWOW。
既に全米オープンの放送も決まっており、グランドスラムをチェックしたいなら固い選択肢と言えるでしょう。
ただ、月額が「税込2,484円」と、スポナビライブに比べれば割高感がありますのでその点は若干ネックになるかもしれません。
終わりに
テニス観戦のポイントはやはり、「料金」と「観たい試合を観れるかどうか」に尽きます。
その点で言えば、スポナビライブ&WOWOWといった形で複数の観戦方法を用意しておくのもひとつの手でしょう。
実際、テニス観戦愛好者は複数の観戦手段を用意していることも多く、大会や試合ごとに使い分けるケースもよく見受けられます。
観戦の仕方は人それぞれ、制限はありません。
自分なりのスタイルを確立して、どんどんテニスの魅力を探してみて下さい。